日刊工業新聞社

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シリーズ 第55回   自著を語る

能力開発専門学科 村上 智広
*2009年3月まで高度職業能力開発促進センターに在籍

『サーボプレス実践活用法』


 1999年、サーボプレスを初めて見たときの衝撃は今も忘れることができません。
 押しボタンを押した後は、スライドが「ガチャン」と1往復するのを見守るだけであった
伝統的プレス機械への認識が、この日を境に劇的に変わったからです。高性能サーボモータ
による直接駆動によってスライドの速度や位置が自在に制御できる時代が到来したのです。
これによりプレス生産現場は、そのまま最新塑性加工技術の実験場を兼ね、サーボプレスオ
ペレータは、最適塑性加工条件の探索者を兼ねる時代となりうることが予見されました。
 高度職業能力開発促進センターにおいて、サーボプレスの活用法に関する日本最初の在職
者向け職業訓練コースを開設したのは、それから3年後の2002年でした。筆者と外部専
門家で共同開発した職業訓練コースです。
 この本は、上記職業訓練コースの講師陣が中心となり執筆し2009年4月にできあがっ
たものです。職業能力開発に携わる一員として、この本が世に出た意義を2点挙げてみます。
 (1) サーボプレスに関する日本初の解説書が職業訓練コースを母胎として産み出された。
 (2) 職業大を卒業した一介の職業訓練指導員が編著者として名を連ねている。
 これは「職業訓練を通じ生産現場の技能・技術向上に貢献すべし」という職業訓練指導員
としての志にメーカー、ユーザー、技術士各位から賛同をいただき、惜しみない協力を賜っ
た証といえるでしょう。
 再就職を目指す方々を支える職務も職業訓練であり、生産現場の技術進展を支える職務も
又、職業訓練です。多様化した職業訓練現場で、多くの本校OBが真摯に、そして多機能な
活動を続けています。
 本書はそのような活動の社会的意義を立証するものの一つでもありましょう。