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福祉工学科 塩 田 泰 仁

筆者は50年前に、父にナゴヤ球場に連れて行ってもらったとき以来の中日ドラゴンズファンであった。その当時は、杉下茂投手が魔球フォークボールを操って、リーグ優勝を果たしたこともある。結婚後は二人の私の子供たちも強制的にドラゴンズファンクラブに入れて、力の入れ方も尋常ではなかった。40数年ドラゴンズ一筋であった。しかし、2年前に星野監督が引退し、阪神に移ったときは大いに大いに迷った。その結果、ここは組織に従っていてはいけないと判断して、人、星野仙一に付いていったのである。縦じまの阪神ファンとなり、2003年はめでたく優勝。大感激である。
 ここからが本題。どうしてこんなことを冒頭に書かせていただいたかというと、星野監督の書いた本を先日購入して読んだからである。いくつもなるほどと思うことがある中で、心技体の項目があった。
 選手にいろいろと教えていくのにも順序があるというのである。それには、理屈を優先させてはうまくいきにくい、ということ。彼の言うには、心・技・体ではなく「体・心・技」の順番が最も良いということである。長年の実体験からそう判断しているのである。
筆者も同感である。以下は、著書のまえがきから抜粋させていただいた。
 工場内設備は言うに及ばず、各種家電製品や住宅設備、交通設備などのあらゆるものが急速にメカトロニクス化してきている。
 われわれ技術者や工学系の学生は、どんな順序で学習していけば、このメカトロニクス技術をマスターすることができるだろうか。
 一つひとつの基礎技術を、小中学校教育のように着実に学習していくのもよいだろう。
 しかし、何といっても一番の早道は自分の周りにある、現実のメカトロニクス機器が動く様子を目で見てテキストで確かめる、といった方法である。そのような理由から、筆者が企業の技術者の方々にメカトロニクス技術を講義する時は、できるだけ実習をしてもらったり、実例に則した話を聞いてもらったりしている。
 本書では、幅広い分野の中で余分な枝葉を払い、技術者として最も必要と思われるメカトロニクスの基礎を、この1冊にまとめてある。
 各章末には、〈コラム〉と「練習問題」を付けてある。ここでの学習をうまく活用して、実際の工場内設備や家電製品の内側にある、センサやアクチュエータを見抜く力を養っていただきたい。