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研究ユニット

構造物鉄工ユニット

ユニットの概要
最新の鋼構造建築物の例(東京スカイツリー)

 鋼構造は、建築構造物や機械構造物、橋梁・プラント・造船等で利用され経済を支えています。鋼構造材料は非常に強靭で耐震性に優れ、加工性にも優れています。身近な構造物では、東京スカイツリー・あべのハルカス・大空間ドーム・長大なレインボーブリッジ・超高層ビル・商業施設・一般住宅などがあります。
 本研究室では、鋼構造設計・材料力学・材料実験・鉄骨製作施工管理、構造実験・鉄骨製作施工検証や職業訓練指導員に対する鋼構造・構造物鉄工指導員研修を行っています。また、大型地震や火災などを受けた鋼構造溶接接合部や高力ボルト摩擦接合部の疲労強度や健全性評価の学術的研究を行っています。
 技能者育成に向けて本研究室では、技能五輪全国大会「構造物鉄工」職種の競技主査、競技委員、国際大会強化委員を務め、日本の「ものづくり」を支援しています。

ユニットの担当分野

鋼構造・構造設計・鉄骨製作施工管理・溶接工学・材料力学・金属工学・金属材料

教員
主な研究テーマ

研究テーマ(1)「鋼構造溶接継手部の疲労強度・疲労寿命」
 鋼構造物は使用期間における安全性を確保するために適切な設計や溶接施工管理、製作施工管理など多岐にわたって検討されます。しかし高度な管理能力を有する技術技能者の製作した構造物においても使用期間中に種々の荷重を受け想定を超すような大荷重を受ける構造物も存在します。大きな破壊を受けた構造物は解体されますが、損傷の小さい場合は使用され続けており、このような構造物は設計初期の耐力や安全性は低下した状態と思われます。鋼構造物の破損の原因は約90%近くが疲労破壊に起因しており、破損部は溶接継手部が大部分を占めます。想定以上の荷重を受けた後の溶接継手の疲労強度の評価法は未だ確立しておらず、使用期間中の構造物に対する健全性評価を行うためには、定量的な評価法の早急な確立が望まれます。
 本研究は、溶接継手を対象に塑性を伴う変動荷重を受けた後の疲労強度・疲労寿命を調べ、安全性を確保する評価法を明らかにするすることを目的とします。実験装置は、各種工作機械、溶接、手工具による加工、制御装置などを用いて疲労試験機を開発製作します。疲労試験は溶接継手部に対して一定振幅、平均応力、変動荷重について実験を行い、溶接継手部が使用期間中に想定以上の荷重を受けた後の、疲労強度ならびに疲労寿命について考察します。

研究テーマ(2)「鋼構造高力ボルト摩擦接合における張力および摩擦係数に対する熱管理の影響」
 鋼構造物は主要な部材が鋼材である建築構造物であり、明石海峡大橋、東京スカイツリー、あべのハルカスなどの巨大構造物を可能にし、社会のインフラを支えています。鋼構造物は非常に高い靭性がある反面、接合部が弱点となりやすいものです。工場での溶接接合は姿勢が正しくとれ(下向き溶接)、安定した接合が得られやすいものの、工事現場での接合は天候に左右され、安定した溶接接合ができない場合もあり、現状では高力ボルト摩擦接合が90%以上採用されているのが実情です。
 現在建設されている建物に使用されているボルトは、ほぼ全て「高力ボルト」と呼ばれるものです。高力ボルトは、高い強度を持ち、高い引張力に耐えることが出来ると同時に、ボルトの締付力が均一になるように製造されています。この高力ボルトを用い、接合面の摩擦力によって力を伝達する接合法を高力ボルト摩擦接合と呼びます。
 高力ボルトは高い締付力を持ち、適度に荒らした接合面の摩擦力によって鋼材を接合します。しかしながら、高力ボルトの使用には厳密な温度管理が必要であり、例えば施工時使用温度範囲は0℃~60℃に規定されており、また、火災等で250℃~300℃を超えた高力ボルトの使用は禁止されています。さらに、高力ボルト施工箇所の周囲を溶接する際には高力ボルトの温度が著しく上昇しないよう配慮が必要です。高力ボルトの特性に対する熱の影響を系統的に調査することは、高力ボルト摩擦接合を中心とした鋼構造物の接合健全性を評価する上で非常に重要です。
 本研究では、高力ボルトに対して温度・時間等を系統的に変化させた熱処理を行い、高力ボルトの軸力、摩擦係数の変化挙動を調べます。さらに熱処理による高力ボルトの軸力の変化挙動をボルトを外すことなくバルクハウゼンノイズ等の非破壊検査法を用いて調べ、高力ボルトの簡易的な健全性評価手法を提案します。

上記の研究テーマを設定しますが、学生の希望・就職先に合わせて相談可能です。

  • 構造物鉄工ユニットの展開(上:卒論研究テーマ、中:学生による鋼構造模型制作例、下:技能五輪構造物鉄工競技の審査・運営)

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